債務整理(任意整理、個人再生、自己破産など)を行うと、信用情報機関に事故情報が登録されるため、しばらくの間クレジットカードやローンの新規利用が難しくなります。
この期間中、借り入れやクレジットカードの利用ができない状態を「ブラックリスト」と呼びますが、実際には5~10年ほど経過すると信用情報から事故情報が消え、再びクレジットカードやローンが利用可能になる場合があります。
以下では、債務整理後にクレジットカードやローンを利用する際の方法と注意点について詳しく解説します。
このページの目次
1. 信用情報から事故情報が消えるまでの期間
債務整理後にクレジットカードやローンを利用できるようになるのは、信用情報から事故情報が削除されてからです。以下は、信用情報に登録される期間の目安です。
- 任意整理:完済から5年程度
- 個人再生:手続き開始から5~7年程度
- 自己破産:免責決定から5~10年程度
この期間が経過すれば、事故情報が信用情報から削除され、クレジットカードやローンの審査を通過できる可能性が高まります。信用情報の開示請求を行い、情報が削除されたことを確認すると安心です。
2. 事故情報が消えた後のクレジットカードの利用方法
事故情報が消えた後、信用情報に再び信用実績を築くためには、慎重にクレジットカードを利用することが大切です。
2.1 審査の通りやすいクレジットカードを選ぶ
事故情報が消えたばかりの時期には、審査が緩やかとされる「流通系」「信販系」のクレジットカードから申し込むのがおすすめです。まずは年会費無料のクレジットカードなど、利用実績を積むことができるカードを選びましょう。
2.2 利用限度額を少額に設定する
最初は利用限度額を低く抑えると、カード会社側も利用に安心感を持ちやすく、審査が通りやすくなります。数万円からの利用実績を積み、徐々に限度額を引き上げると良いでしょう。
2.3 毎月の返済を必ず遅延なく行う
新しくクレジットカードが利用できるようになったら、毎月の返済を確実に行うことが何よりも重要です。返済遅延がなく利用を続けることで、再度信用情報に「信用実績」を築き上げ、今後の審査が通りやすくなります。
2.4 デビットカードの活用
クレジットカードの審査が通らない場合は、銀行口座と連動して利用する「デビットカード」を利用する方法もあります。デビットカードは、口座の残高範囲内でしか使用できないため、与信審査が不要です。ネットショッピングなどにも利用できるため、クレジットカードと同様に使えます。
3. ローンの利用方法と注意点
債務整理後は、まず小額から始め、計画的な返済実績を積み重ねていくことが重要です。
3.1 少額のローンから始める
大きな金額のローンよりも、最初は少額のローンから利用し、定期的な返済実績を積むと良いでしょう。例えば、携帯電話の分割払いなどもローンとして扱われるため、分割払いの完済実績があれば信用度の回復に役立ちます。
3.2 利用実績を確認しながら徐々に金額を増やす
少額ローンでの返済実績が積み上がれば、将来的には住宅ローンや自動車ローンなどの高額ローン審査に通る可能性が高まります。再度信用情報を構築してから大きなローンを申し込むと、審査に通りやすくなるでしょう。
3.3 返済計画を立てて無理のない範囲で利用する
新しいローンの利用が再開できた場合、無理な金額を借りると返済に苦労し、再び延滞してしまうリスクがあるため、返済額が生活費に影響しない範囲でローンを組むことが大切です。
4. 債務整理後に信用情報を回復させるためのポイント
債務整理後は、慎重に信用情報を回復させることが重要です。以下のポイントに注意して再スタートを切りましょう。
4.1 家計管理を徹底する
信用情報を回復するためには、再度の延滞を防ぐことが不可欠です。家計簿をつける、支出を見直すなどして、安定した生活を維持し、返済に余裕を持たせることが大切です。
4.2 生活費は現金やデビットカードで管理
クレジットカードやローンが利用できない期間は、生活費を現金やデビットカードで管理すると、使い過ぎを防げます。また、デビットカードは与信審査が不要で、口座残高内での利用が可能なため、安心して利用できます。
4.3 支払い期日を必ず守る
電気やガス、水道などの公共料金や携帯料金の支払いも、遅延なく行うようにしましょう。定期的に支払いを守ることが、信用情報の回復に役立ちます。
4.4 一定期間後に信用情報を確認
信用情報が回復する時期が近づいたら、信用情報機関に開示請求を行い、自分の信用情報を確認してみましょう。信用情報に問題がなければ、クレジットカードやローンの申請を再開することができます。
まとめ
債務整理後に再びクレジットカードやローンを利用するには、まず信用情報の事故情報が消えるまで待つ必要があります。事故情報が削除された後は、少額の利用から始め、定期的な支払いを守って利用実績を積み重ねることで、徐々に信用を回復させることが可能です。
また、債務整理後の生活においては、家計管理やデビットカードの活用など、無理のない支出を心がけて計画的に生活することが重要です。
債務整理後の生活再建や信用情報の回復についてのご相談がある方は、当事務所にぜひご相談ください。