借金の催促を止める方法とその手続き

借金の返済が滞ると、金融機関や債権回収業者からの催促が始まります。電話や郵便での催促が続くと、精神的な負担も大きくなります。こうした場合に催促を止めるためには、債務整理を行うことで法的に借金の取り立てを止められる可能性があります。

以下では、借金の催促を止めるための方法と具体的な手続きについて詳しく解説します。

1. 催促を止める主な方法

催促を止めるためには、法的な手続きに基づいて債権者に対処することが有効です。具体的には、以下の方法があります。

1.1 任意整理を行う

任意整理は、債権者と直接交渉し、返済の負担を軽減する手続きです。任意整理を弁護士や司法書士に依頼すると、受任通知(債務整理の開始通知)が債権者に送付されます。これにより、債権者は直接的な取り立てを一時的に中止しなければなりません

ポイント

任意整理では、住宅ローンなどを除外して特定の借金のみを整理することも可能です。

1.2 個人再生手続きを行う

個人再生は、裁判所を通じて借金の元本を大幅に減額し、返済計画を立てる手続きです。手続きを開始すると、裁判所から「再生手続き開始決定」が出され、これにより債権者は取り立てを行うことができなくなります。

ポイント

個人再生では住宅資金特別条項を利用することで、住宅ローンを支払い続けながら借金を減額できます。

1.3 自己破産を申し立てる

自己破産は、借金の返済義務を免除してもらう手続きで、裁判所に申し立てを行います。自己破産の申立て後、裁判所が「破産手続き開始決定」を下すと、債権者は取り立てを中止しなければなりません。破産手続きが進み、免責が確定すれば、借金の返済義務がなくなります。

ポイント

自己破産には、一定の財産を失うリスクがあるため、慎重に検討が必要です。

2. 債権者からの催促を止める手続きの流れ

債務整理を行う場合、弁護士や司法書士に依頼することが一般的です。以下は、債務整理による催促停止までの流れです。

専門家への相談

まず、弁護士や司法書士に相談し、債務整理の手続きを依頼します。専門家が、借金の総額や収入状況を確認し、最適な解決方法を提案してくれます。任意整理が良いのか、個人再生や自己破産が適しているのかを相談しながら決定します。

受任通知の送付

債務整理を依頼すると、弁護士や司法書士は速やかに債権者に対して「受任通知」を送付します。この通知を受け取った債権者は、貸金業法に基づき、債務者への直接的な取り立てを中止しなければなりません。取り立てを続けると、法律違反となります。

債務整理の交渉や裁判手続きの開始

受任通知後、弁護士や司法書士が債権者と交渉を開始します。任意整理であれば返済計画の協議が行われ、個人再生や自己破産の場合は、裁判所への申し立てが進められます。

債務整理手続きの完了

債務整理の種類に応じて、再生計画案や免責決定が下されることで、返済計画がスタートします。債務整理が完了すると、返済義務がなくなったり、減額された借金の返済が始まったりします。

3. 催促を止める際の注意点

3.1 手続きを放置しない

債権者からの催促が来ても、放置しておくと、裁判や給与の差し押さえといった法的措置に発展する可能性があります。早めに専門家に相談し、法的な手続きを進めることが重要です。

3.2 詐欺や違法な取り立てに注意

弁護士や司法書士が介入した後も取り立てを続ける場合、それは法律違反です。稀に悪質な業者による違法な取り立てもあるため、しっかりと専門家に報告し、対応してもらいましょう。

3.3 家族や職場への配慮

債権者からの催促が家族や職場に影響するケースもあります。専門家に依頼することで、債権者と直接連絡を取らずに済み、家族や職場への影響を最小限に抑えられます。

3.4 信用情報への影響

債務整理を行うと、信用情報に事故情報(いわゆる「ブラックリスト」)が登録されます。一定期間、新規の借入れやクレジットカードの利用が制限される点に注意が必要です。信用情報に登録される期間は、以下が目安です。

  • 任意整理:完済から5年程度
  • 個人再生:再生計画の開始から5~7年程度
  • 自己破産:免責決定から5~10年程度

4. 債務整理後に催促を再開させないためのポイント

債務整理後も返済計画を守ることが重要です。以下のポイントに注意して、再び催促が発生しないよう心がけましょう。

4.1 返済計画をしっかり守る

任意整理や個人再生では、再生計画に基づいて返済が続きます。返済が滞ると、再度催促が発生するため、計画通りの返済を心がけましょう。

4.2 生活費を見直して無理のない返済をする

生活費や支出を見直し、返済計画を優先できるような家計管理を行います。無理なく返済を続けることで、計画通りに借金を完済でき、再び取り立てを受けるリスクが低減します。

4.3 信用情報を確認し、生活再建を目指す

債務整理が完了して数年経ったら、信用情報機関に開示請求を行い、自分の信用情報を確認します。事故情報が削除されていれば、生活再建の準備が整います。計画的な家計管理と健全な借り入れで、新たなスタートを切りましょう。

まとめ

借金の催促を止めるためには、債務整理が有効です。任意整理や個人再生、自己破産を専門家に依頼することで、債権者からの取り立てを合法的に停止させることができます。取り立てが続く場合、専門家を通じて受任通知を送り、催促を速やかに中止させることが大切です。

借金の催促でお悩みの方や、債務整理についてのご相談がある方は、当事務所にお気軽にご相談ください。専門家によるサポートを通じて、安心して生活を再建できるようお手伝いいたします。

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